玄関ドアの鍵に関する記事なのに、いきなり車の話から入りますが、最近の車は、ほとんど鍵穴にキーを差し込んでロックを開けるということはなくなっていると思います。
リモコンキーのボタンを押したり、タッチキーやキーを携帯してドアノブを握ればロックが解除されるなど非常に便利です。
私は常々、この車のロックのように玄関ドアの鍵が開けられたら便利だろうなと思っておりました。
鍵穴に鍵を差し込むという行為は、夜間暗くてうまく刺さらないとか、鍵の向きをいちいち確認しなきゃならないだとか、潤滑が良くないと引っかかったりして意外とストレスが溜まるものです。
そこで見つけたのが、自宅の玄関ドアを後付けでキーレス(ICキー)にできる電気錠、シリンダーICロック2です。
2019.03.20追記
現在はシリンダーICロック3が最新モデルのようです。ホームページを見たところ、基本的なところは同じで、耐久性がアップしているようです。
自宅の玄関ドアに導入してから約1年経過し、とくに大きなトラブルもなく便利に使用できておりますのでこれはおすすめできると思い、玄関ドアをキーレス(ICキー)にしてみたい方や、今まさに住宅を建築中の方などに向けて参考になればと思い、私の使用状況などを書いてみたいと思います。
私の調べた限り、他のメーカーに比べ安価にでき、現状のドアの錠(錠の種類に指定あり)に取り付ける商品なのでドアごと交換するなど大がかりな工事もありません。
※ご注意※
ご自宅の扉や錠に取り付けられるか、必ず適合確認してください。鍵として登録できるfelicaなども、ものによっては登録できない場合もあります。また、メーカーは取り付けは専門家に依頼するよう推奨しております。自分で取り付けると保証の対象外となるようです。本記事の情報のご利用、商品のご購入、取り付けなどは必ず自己責任でお願いいたします。
本記事では、「キーレス」は、金属のキーが不要になるという意味でキーレスとしています。
目次
玄関キーレスシステム(電気錠)を数社検討
玄関ドアがキーレスにできるシステムは、大手住宅設備メーカーや鍵のメーカーからいろいろと発売されております。
ネット検索するとすぐ見つかるのはリクシルのもので、実際にショールームで試してみて便利さを実感しましたが、導入にはドアの入れ替えなどもあり、価格は数十万円代と高額になるようで断念しました。ドアのデザインが気に入らなかったという部分もあります。
次に検討したのは、スマートロックと言われる部類の商品です。
玄関にスマホをかざすだけ?Bluetoothを使ってのスマートロックの未来はもうすぐそこまで来ている
玄関錠に本体を取り付け、スマホに専用のアプリをダウンロードして、Bluetooth通信で鍵が開け閉めできるようになるという商品です。
Qrio Smart Lock (キュリオスマートロック)は、いろいろなメディアで取り上げられていたので検討したのですが、amazonのレビューで「鍵で開けた方が速い」などの低評価があり、高評価を付けている方の中にも動作に不満があるような書き込みがされておりました。素晴らしいアイデア、技術だと思ったのですが、まだまだ進化途中の商品だと感じましたのでやめました。
その後、通販サイトで「シリンダーICロック2」を見つけたのですが、私の希望する機能を満たしており、うちの玄関扉・錠に取り付けられるか調べたところ、取り付け可能でしたので購入してみました。
価格: |
メーカーホームページでご自宅の扉、錠に合うか、適合確認ができます。引き戸でも錠や取り付けスペースによっては取り付け可能です。↓↓
youtubeにあった動画↓↓
この動画を先に見てもらった方が、以下の記事の内容がわかりやすいかもしれません。
シリンダーICロック2の特徴、気に入っている所
自分の持っているfelicaが鍵になる
これは、持ち歩くものをなるべく少なくしたい私にとって、かなり魅力的でした。
私が検討した各社キーレスシステムですと、カード型などの専用のICキーを持ち歩くようになるのですが、シリンダーICロック2なら、普段持ち歩いているfelicaカード(suicaやnanacoなど)やおサイフケータイを登録すれば、ICキーさえも持ち歩く必要がなくなります。普段持ち歩いているfelicaがICキーを兼ねるからです。
suicaやnanacoをあまり使用しない方は、本体を購入すると2枚のカードが付属しているので、それを鍵として登録して使用することもできます。
また、カード型でなくても、通販などで購入できるfelicaタグ(キーホルダーのようなもの)があれば登録できます。従来の金属の鍵を持ち歩くよりかなり軽いです。
通販でいろいろなfelicaタグが購入できますが、ものによっては登録できない場合があるようですので注意が必要です。
詳しくはメーカーに確認するか、そんなに高いものではないので、一か八かで購入するかです。私は一か八かで購入したところ登録できるものでした。
あとは、たまたま持っていた某会社のガソリン給油用のfelicaタグがICキーとして登録できました。
シリンダーICロック2は、おサイフケータイも鍵として登録できます。
iphoneでもおサイフケータイではありませんが同じような機能として、iphone7からfelica(Apple Pay)が搭載されました。ですがシリンダーICロック2には鍵として登録できませんでした。
シリンダーICロック2にiphoneをかざすと、iphoneの画面がApple Payを使用した時のように作動し、felicaを認識しているようですが登録はできませんでした。
今の鍵もそのまま使える
鍵をまるごと取り変えてしまったり、鍵穴がなくなってしまうわけではありません。既存の扉、錠に取り付けるだけなので、今の鍵もそのまま使えます。
ですから賃貸物件に取り付けしても、取り付けの逆をやれば原状復帰できます。
乾電池での使用が可能
電気錠にするからには電源を取る必要があります。
電源を取るには配線しなければならず、コンセントを差し込むだけなら良いのですが、ドアの動く部分の配線処理を考えたりする必要があります。
シリンダーICロック2は、乾電池での使用が可能なので、電気工事屋さんに配線を頼む必要がありません。
乾電池で使用中、万が一、ロックしたまま電池切れしてしまっても、従来の金属の鍵も使えますし、金属の鍵を持って出掛けなかった場合でも、9Vの四角い乾電池で外から本体に電気を送ることができ、いつも通りICキーをかざせばロックを解除できるようです。(私はまだやったことがありません。)
9V乾電池はコンビニでも買えますし、あらかじめ車などに置いておくと良いかもしれません。
シリンダーICロック2は別売りで電源アダプターがあり、電源接続しても使用可能です。
電源接続すれば電池切れの心配がなくなるのと、乾電池使用では外側から施錠解錠時に、「LED部分を指でタッチして本体を起動」させてからICキーをかざして施錠解錠するのですが、電源接続すればこの「指でタッチして本体を起動」をする必要がなくなり、いきなりICキーをかざすだけで施錠解錠ができるようになります。
「指でタッチして本体を起動」してから「ICキーをタッチ」でも、どうせ手を使ってICキーをかざすので、指でタッチするのも大した手間ではないのですが、私は「ICキーをタッチのみで施錠解錠」に憧れていたので、現在は電源接続して使用しています。
2階リビングやキッチンなどから玄関を解錠できる機能あり
本体から配線しなければならないのと、別でスイッチを用意する必要がありますが、遠隔で施錠解錠できるような機能も付いています。
例えば、2階リビングのお宅やキッチンなど、室内のインターホンのある場所まで配線してスイッチを付けておけば、「ピーンポーン」と来客があったらインターホンで確認し、隣りに設置したスイッチで解錠するといった使い方が可能なので、玄関まで行って鍵を開ける必要がなくなります。
マンションのオートロックを開けるような機能ですが、戸建住宅用としてはあまり一般的ではないようで、ネットで調べてもあまり出てこないように感じます。
大手メーカーで発売しているようですが、解錠ボタンが付いているインターホンと電気錠とセットで取り付ける必要がありそうで、お値段的にもかなりかかりそうです。
私はこの機能を付けましたが、インターホンは既存のもののままで、必要な部品はスイッチと配線ケーブルだけです。
スイッチは特別なものではなく、ホームセンターなどの電気工事部品売り場によくある一般的なものです。
接続は電気工事屋さんに頼んだので、スイッチも配線ケーブルも用意してくれました。
電気工事屋さんには、「シリンダーICロック2本体にある遠隔施錠解錠用スイッチの接続箇所」から配線をキッチンのインターホンのある場所まで延ばし、壁にスイッチを取り付けて欲しいとお願いしました。
本体への接続箇所は説明書で一緒に確認、使用するスイッチはA接点モーメンタリスイッチ(押している間だけONになるプッシュスイッチ)でお願いし、壁の中の配線ルートや配線の種類などはおまかせして、問題なく取り付けできました。
電気工事屋さんにとっては、工事内容としては簡単な部類だと思います。
シリンダーICロック2としては、ICキー(キーレス)になるというのがメインの機能ですから、遠隔施錠解錠はおまけのような機能かもしれませんが、ネットで調べると2階リビングやキッチンなどから玄関を解錠したいという需要もあるようで、そんな方にとっては価値ある機能だと思います。
この機能に関しては動作は全く問題ないのですが、不満点が1つありまして、それは下の方で書きます。
ダブルロックに対応
玄関ドアをダブルロックにしている方は多いと思います。
シリンダーICロック2はダブルロックユニットを購入すれば対応可能です。
ダブルロックユニット シルバー シリンダーICロック2用 ST-S1030C-WL
価格:
15,768円
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ダブルロックユニットを取り付ければ、1回ICキーをかざすだけで2ヶ所の鍵が施錠解錠できますのでかなり楽になります。
内側からも本体の施錠解錠ボタンを1回押すだけで、2ヶ所の鍵を施錠解錠できます。
本体を取り付けた錠が作動したあと続いてもう1か所が作動します。1~2秒ほどでダブルロックの解錠施錠ができるようになります。
自分で取り付けできるかも
メーカーは専門家に取り付けを推奨しており、自分で取り付けてトラブルがあった場合は保証対象外としているようですが、鍵のシリンダーを交換したことがあるような方なら自分で取り付けできるかもしれません。
取り付けは、Qrio Smart Lock (キュリオスマートロック)のようにサムターンに被せるだけではなく、シリンダーを外して本品と組み合わせて取り付ける感じになります。
私は専門家ではありませんが、取り付け説明書を読みながら本体は自分で取り付けできました。
自分で取り付ける方は、自己責任でがんばってみてください。
その他
本体は、マグネットスイッチによりドアの開閉を認識していますので、ドアがこじ開けられると防犯アラームが鳴ったり、ドアが閉まったら自動で施錠する機能(OFFにすることも可能。私はこの機能はOFFにしています。)も付いています。
使用してみての不満点
本体の施錠解錠状態が遠目からわかりにくい
本体を設置すると、サムターンのつまみが隠れますので、サムターンの向きを見て遠目から錠の開閉を確認しにくくなります。
サムターンのつまみの代わりとなるのが本体の円形のノブで、本体の施錠解錠ボタンを押すとこれが回転します。このノブを回しても施錠解錠ができます。
この円形のノブには一応、サムターンの向きが分かるよう溝が切られているのですが、遠目からは見にくく、私は白いマスキングテープを貼って遠目から見やすくしています。
遠隔スイッチでの施錠解錠状態がわかりにくい
上述の「下で書きます」と言った不満点がこれです。
遠隔スイッチを使ってみて、もうひと工夫欲しいと感じたのは、スイッチのある場所(うちの場合キッチン)から施錠と解錠の状態がわかるような機能がプラスで欲しかったです。
インターホンで呼び出された場合はインターホンで受け答えし、スイッチを押して解錠し、ドアを開けて入ってもらいます。この時は万が一鍵が開いていなくても「開いてないよ」と言われるのでわかります。
人が中に入ったら、もう一度スイッチを押して今度は施錠しますが、この時が本当に閉まっているかやや不安になります。
入ってくる人に施錠されたか見てもらう方法もあるにはあるのですが、鍵が閉まっている時は緑のランプ、開いている時は赤のランプが点滅するみたいな機能があれば更に便利になるのではないかと思っています。
実際にはスイッチを押したのに解錠しなかったことや、施錠されていなかったことはありません。
リモコンなどではなく、配線してスイッチで作動させている単純な構造なので、配線がしっかりしていれば動作は安定しているということだと思います。
本体の仕様として、解錠してから10秒ほどドアを開けないでいると、自動で施錠されるようになっているので、現在の状態がわからなくても一応スイッチを1回押しておけば、必ず施錠の状態になるようにはなっています。
- 鍵が開いている場合→スイッチ1回押しで施錠
- 鍵が閉まっている場合→スイッチ1回押しで解錠してしまうが・・→ドアを開けないでいると・・→自動で施錠
根本的な対策ではありませんが、ちゃんと動いているという前提で、不安ならとりあえず1回スイッチを押しておけば、最終的には施錠の状態にはなると家族には伝えています。
おわりに
シリンダーICロック2は、私にとっては希望通りの機能を備えた商品で、価格的にも許容範囲で取り付けることができました。
一般的な家電製品のような商品ではないし、防犯上の理由もあるためか、ネットで調べても商品レビューのようなページがありませんでした。
そのため、購入には結構勇気がいりましたが、思い切って購入して良かったと思っています。
玄関ドアのキーレス化(ICキー、電気錠)をご検討中の方の参考になればうれしいです。
2018.02.05追記
シリンダーICロック2の追加機能で、指でタッチするだけで施錠解錠できる機能を使ってみました。別売りの無線ユニットと専用リモコンを購入する必要がありますが、結構便利です。↓↓
後付けで玄関をタッチキーに!シリンダーICロック2の指タッチで施錠解錠機能