我が家には小さいながら芝生を植えている部分があり、その芝生の手入れのため芝刈り機を購入しました。
キンボシ株式会社のゴールデンスター芝刈機、ナイスバーディモアーデラックスGSB-2000NDXです。
メーカーホームページによると、ワンタッチ芝刈り高さ調整機能が付いていないバーディモアーエースGSB-2000Aと、専用カバー付きで品番にNのないGSB-2000DXという、同じようなタイプもあるようです。
芝刈り機についてネットで検索してもほぼ通販のページで、芝刈り機のレビュー情報自体の需要が少ないのだということだと思いますが、そういうマニアックなジャンルの情報ほど価値があると思いますのでレビューしてみたいと思います。
2017.08.29追記:刃の研磨をやってみました。こちらの記事もよろしければどうぞ。
目次
家庭用芝刈機の種類
芝刈り機はいろいろなメーカーから出ていますが、分類すると、カットの仕方(刃の形状)でロータリー式、リール式、バリカン式などの種類に分けられるようです。更にそれが電動式か手動式かに分けられます。エンジン式もあるようですが、かなり広い範囲用でしょう。
家庭用の手軽に買えるものは、ロータリー式電動、リール式手動、リール式電動の3種類がありましたので、その中から比較検討し選びました。
それぞれにメリットデメリットがありますが、私の調べた限りでは以下の通りです。
カットの仕組み | メリット | デメリット | |
ロータリー式 | 円盤状の刃が地面と水平に回転し、鎌のように刈る。 | 刃の交換が比較的容易、長い芝も刈りやすい、ある程度硬めの雑草があっても刈れる | 芝を傷めやすい、仕上がりが劣る、短く刈りにくい、音がうるさい |
リール式 | らせん状に刃が付いたリールが回転し本体にある刃と擦れあってハサミのように芝をカットする。 | 仕上がりがきれい、芝を傷めにくい、短く刈れる、作業音が静か | 刃が特殊な形状で簡単(安価)に交換できない、硬い雑草は苦手、長い芝が刈りにくい |
電動と手動の違いはある程度予想がつくと思いますが、以下の通りです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
電動 | 作業が楽、刃がモーターで回転するので、本体を押す力だけでよい | 本体が比較的重い、電源コードがわずらわしい、音がうるさい |
手動 | 構造がシンプルで軽め、取り回しが楽、電源コードがなく電源をとる場所など考えなくてよい | 芝刈り機のタイヤの回転が刃の回転に依存しているため、芝の状態により押す力が必要な場合がある |
選んだ理由
ナイスバーディモアーデラックスGSB-2000NDXは、手動のリール式です。
作業音が静か
住宅密集地のため近隣に気を使う必要がありました。手動でリール式が一番静かだろうと判断しました。
仕上がりがきれい
ロータリー式だとどうしても回転刃で「たたき切る」ような感じがしたので、やはりデメリットで挙げられている通り芝を傷めやすいだろうと判断し、リール式のハサミでカットするような方式を選びました。
TKK方式
私の職場には、この芝刈り機のように刃と刃の擦り合わせで品物をカットする製造機械があるのですが、この機械の刃の調整は非常に面倒な作業です。刃を出しすぎると刃と刃がぶつかって動きませんし、引っ込めすぎると切れないという微妙な調整作業です。
この面倒な刃の調整作業を経験しているからかもしれませんが、キンボシ株式会社の特許であるTKK方式というシステムに惹かれてしまいました。
TKK方式とは、バネの働きで常に一定の力で刃と刃が擦り合うような仕組みになっているそうです。つまり刃の調整は不要だそうです。
刃のメンテナンスは、別売りの専用工具とコンパウンドを使って砥ぐだけとのことです。
日本製
芝刈り機の重要な部分はやはり「刃」です。切れ味や刃と刃の擦り合わせの精度が大切だと思いました。本品は日本製ということで、精度も高く切れ味も良いのではと思いました。
また、ハズレ(不良品)を引いてしまう確率も低いのではと思いました。
使用してみての感想
良かった点
組み立て簡単
組み立ては、本体を押すためのハンドルの取り付けとカットした芝を溜めるバケット(メーカーカタログには集草器、前キャッチャーと書いてあります)の取り付けだけです。ハンドルは工具なしで4つのボルトを手で締めるだけ、バケットはストッパーを手で軽く引き、取り付けるだけです。
芝刈り高さ調整ワンタッチ
本体後ろにローラーが付いており、その高さを変えると地面と刃の距離が変わり、刈れる高さが変わります。10mm、15mm、20mm、25mmの4段階で、ばねの付いたバーを引きお好みの高さの所に合わせ、切り替えます。文字で書くとうまく説明できませんが、とにかく切り替えが簡単なことは確かです。
因みに、デラックス(DX)がついていないタイプ(GSB-2000A)があるようですが、このワンタッチの芝刈り高さ調整がついていないタイプのようです。
切れ味は良い
他の芝刈り機を試したことはありませんが、切れ味は問題ないと思います。ちゃんと切れます。芝の状態で切れ具合が少し変わりますが、詳しくは下の方で書きます。
軽い
刃の付いた本体に車輪が付いているというシンプルな構造の為、5.8㎏と軽いです。ただ、とはいっても、他の近いグレードの電動芝刈り機も、カタログなどを見る限り7㎏くらいなので差は1㎏ほどです。
うちの芝生の広さは、だいたい16平方メートルくらいなので、端から芝刈りをスタートすると、数歩あるいただけですぐに向こうの端までたどり着いてしまい、すぐ方向転換しなければなりません。方向転換するのには多少本体を持ち上げるので、1㎏でも軽ければ軽いだけ良いと考えています。
刈り幅はちょうど良い
刈り幅は200㎜でうちの芝生の広さでは十分だと思います。刈った境目が出ないように、一度刈った部分と次に刈る部分が少し重なるように芝刈り機をかけていきますが、だいたい10往復くらいで刈り終わります。
他メーカー同グレードで刈り幅230mmというものもありましたが、230㎜を試したわけではないのではっきりしたことは言えませんが、うちの芝生の広さでは30mmの差はほとんど感じないかもしれません。
芝刈り機は直線的に往復して刈りますので、広くなればなるほどその30mmの差が蓄積されていきます。
うちは10往復(20列)ほどで刈れます。単純計算すると、1列30㎜の差ですから、20列×30mmで600mmの差が出ます。ナイスバーディモアーデラックスGSB-2000NDXは刈り幅200㎜なので230mmよりも1.5往復(3列=差600㎜÷刈り幅200mm)余分に動かなければならないということになります。
結果、1.5往復なんて大した違いではないという結論に至りました。
電源の心配がいらない(手軽にできる)
電源がいらずコードの取り回しもないので、平日仕事から帰ってきて「ちょっと伸びてるな」と思った時でも手軽にすぐ刈れます。
例えるなら、ちょうどコードレス掃除機を使うような感覚です。
何かをこぼしたとき、コード式の掃除機を出してきて掃除するというのはちょっと面倒だと思うときがありますが、コードレス掃除機を使うようになってからあまり面倒と感じることはなくなりました。その感覚と似ていると思いました。
期待以下だった点
そこそこ音が出る
手動リール式なので、ほとんど音が出ないものと勝手に思っていましたが、そこそこの大きさの音がでます。
回転する刃が擦れあう音だと思いますが、「ヒューーーーーーーン」という感じの音質です。
近所にはどの程度の大きさで聞こえているかわかりませんが、住宅密集地では早朝、深夜に立てて良いレベルの音ではないと思います。
近所の庭で落ち葉を集めているのか、たまにブロワの「ブオーーーーーーーーン」という音が聞こえますが、私はそれが迷惑と感じたことはありません。ですから、それより静かなので近所迷惑ということにはならないと思います。
進むのに少し重い時がある
「切れ味」の項目で書きましたが、芝の状態などにより進み具合(押す重さ)が少し変わります。これは手動だからこそだと思います。
まず、幼稚園の子供にやらせてみましたが、ハンドルの位置が子供の身長用ではないので、当然力が入りにくいというのがありますが、最初の1~2歩がアシストして押してあげないと進めませんでした。
つまり進みだすと大丈夫ですが、本体に進む勢い(刃が回転する勢い)がつくまでは気持ち重いです。といっても2歩くらいですが。
次に長めの芝を一気に短く刈ろうとするとたまに引っかかる感じが伝わります。髪の毛のバリカンと同じ理屈だと思います。
また、芝が密に生えているような所でも少し重くなります。芝がたくさん刃と刃の間に入り、ハサミで分厚い紙を切っているような感じになるからではないかと思います。
電動では、刃が電動で回転しているので芝をカットする力は常に一定だと思いますが、手動では、本体を前進させる力=カットする力になります。
2017.08.29追記:うちの芝の状態の場合、15ミリでカットしようとすると時々刃に芝が詰まり、無理に進もうとするとカットせずそのまま芝を引き抜いてしまいそうになります。ですので20ミリで刈ったあと15ミリで刈ってみましたが、完全に詰まらなくはなりませんでした。
少々地面に凹凸があるので、タイヤだけ凹部分に入ったりすると刈り高が変化し、15ミリより短く刈ろうとして刃に芝が詰まるのかもしれません。ゴルフ場のフェアウエイのようにもう少し短くしたいのでスムーズに刈れるよう研究中です。
刈り上がりが縞模様に見えることがある
上記のように芝が密に生えているような所では少し重くなるのですが、そのようなカットが重かった部分の刈りあがりを見ると、芝刈り機の進行方向に対し、垂直に縞模様に見える部分ができることがあります。
これは設定どおりの長さに切れた部分と、多少長めに残った部分が交互に出ているため、縞模様に見えてしまうのではないかと思っています。
電動のロータリー式の回転刃では見られない刈りあがりかもしれません。
原因はよくわかりませんが、芝刈り機を何回か通過させるときれいに刈り揃えられるのと、数日経てば芝が伸びてきて目立たなくなるので、そこまで問題にするようなことではないのかもしれません。
2017.08.29追記:うちの芝の状態の場合、15ミリで刈るとこの縞模様がかなり顕著に出ます。
まとめ
以上、初めて芝刈り機を購入し使ってみた感想を書いてみました。うちの芝生の面積や状態では、キンボシ株式会社のゴールデンスター芝刈機、ナイスバーディモアーデラックスGSB-2000NDXで正解だったと思っています。
他の芝刈り機を試したことはないのですが、もし、電源コードがあったり少々重かったりしたら、芝刈りが億劫になってしまうかもしれないと感じました。
シンプルな構造で手軽に刈れて大変気に入りました。
今後、耐久性や刃のメンテナンスに関することなども出てくると思いますので、何かあれば追記していきたいと思います。
2017.08.29追記:刃の研磨をやってみました。こちらの記事もよろしければどうぞ。