準備編では、3型後期から4型へのハイエースフェイスチェンジにあたり、私が準備したパーツを紹介しました。
今回は準備編に続き、作業編です。
まずは、3型HIDヘッドライトの配線を4型H4ハロゲンヘッドライトにつなぐためのハーネスを作成しました。
あくまでも私のハイエースで行った作業記録ですので、すべての3型HID車両で使える情報かはわかりませんのでご注意ください。
情報のご利用は、くれぐれも自己責任でお願いいたします。
目次
4灯ヘッドライト(3型HID)を2灯ヘッドライト(4型H4ハロゲン)にするには
ハイエース3型HIDヘッドライトはハイビームのHB3バルブとロービームのHIDバルブ(バーナー)でローとハイのバルブが分かれています。
私がフェイスチェンジ用に購入したヘッドランプは、H4バルブ1個でローとハイを切り替えています。4型H4ハロゲンと書いてますが、正確には6型と呼ばれている年式についていたものみたいです。
3型HIDは、ハイビームにするとロービームも同時に点灯する仕組みになっており、ハイビームにしてもロービームには電気が流れ続けているということになります。
H4ハロゲンでは、H4バルブの中の「ハイビームのフィラメント」と「ロービームのフィラメント」を同時に点灯させたくないので、単純に3型車両から来ているロービーム電源とハイビーム電源をH4カプラーにつなぎ変えるだけではうまくいきません。
そこで、5極リレーを使って電気の流れをうまいこと変えるハーネスを作りました。
ハーネスの仕組み
ハイビーム電源はリレーを作動させるための電源に使い、ロービーム電源の方をH4バルブの「ハイのフィラメント」に流すか「ローのフィラメント」に流すかをリレーで切り替えます。
- ヘッドライトONで「ローのフィラメント」に電流が流れロービームが点灯
- ハイビームスイッチONでハイビーム電源に電流が流れて作成したハーネスのリレーが作動
- リレー内で電流の流れが切り替わり、「ハイのフィラメント」に電流が流れてハイビームが点灯。「ローのフィラメント」には電源が流れなくなる。
こんな風になるようにリレー回路を組みます。
ハーネスの作り方、5極リレーへのつなぎ方
- 車両ハイビーム電源のプラス線マイナス線は、リレー作動用の電源にするのでリレーのコイル側(青線、黒線)につなぐ。
- 車両ロービーム電源のマイナス線は、リレーのスイッチ側赤線につなぐ。エーモンコンパクトリレーの説明書きには「プラス電源」や「電装品作動用線」などと書かれていますが、今回の場合はここに車両ロービーム電源のマイナス線をつなぎます。
- 車両ロービーム電源のプラス線は、画像のH4カプラーのLowプラス線(右)につなぐ。
- リレーの白線を画像ロービーム時のアース(上)につなぐ。
- リレーの黄線を画像ハイビーム時のアース(左)につなぐ。
私はこのようにつなぎました。
H4カプラーの図は、バルブの金具が刺さる穴から見た図です。
イメージ図のリレーから出ている線は、エーモンコンパクトリレーの説明書と同じ配線の色で書きました。
リレーの赤線の接続先が白線、黄線と切り替わります。
リレーが作動していないとき(ハイビームOFF時)は、白線が赤線とつながっているので白線の方をロービーム回路にします。
車両ハイビームスイッチをONにするとハイビーム電源に電流が流れてリレーが作動し、赤線と黄線がつながるのでバルブ内のHiの方に電流が流れます。
図の車両ロービーム電源プラスは緑線で描いていますが、図の色分けでわかりやすくするために緑にしただけです。実際には自分のわかりやすい色にすれば良いと思います。
ハーネスに純正と同じカプラーを取り付ける
全てギボシでもできますが、メンテナンス性を考えてポン付けできるようにハーネスの末端を車両と同じカプラーにします。
車両からは、ヘッドランプを外すと下の画像のように配線が来ていました。
違う角度からの画像。
「Lowとポジション」のカプラーと「Hi」のカプラーを作成したハーネスにつなぎます。
「ウインカー」と「レベライザー」のカプラーは、購入したH4ハロゲンヘッドランプ本体と同じだったので、そのままヘッドランプに直接つなげることができました。
車両Lowとポジション電源のカプラー
車両からのLow電源とポジション電源は4極の一つのカプラーになっています。
- 住友電装090型 TS 防水4極カプラータイプ1のオス、端子のセット
を使いました。
住友電装 090型 TS 防水 4極 オスカプラー・端子セット タイプ1
価格:
266円
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この4極カプラーには、「リレーからの赤線」と「H4カプラーからの線(イメージ図の緑線)」、ヘッドランプ本体のポジション球へつなぐ「プラス線」、「マイナス線」の4本の線を取り付けます。
車両の方のメスカプラーの「どこの位置」に「何の電源(Lowかポジか)」の「どちらの極性(プラスマイナス)」が来ているか確認し、ハーネスの各線をオスカプラーの適切な位置に取り付けます。
私の車両のヘッドランプ配線色は、
- 運転席側、Lowプラス:赤色
- 運転席側、Lowマイナス:白黒
- 運転席側、ポジプラス:緑色
- 運転席側、ポジマイナス:白黒
- 助手席側、Lowプラス:青色
- 助手席側、Lowマイナス:白黒
- 助手席側、ポジプラス:緑色
- 助手席側、ポジマイナス:白黒
だったと思いますが、実車で必ず確認したほうが良いです。
カプラーと線の接続は、先に防水ゴム(キャップ?)を配線に通し、配線を剥き、専用の端子をカシメ工具でカシメて、端子をカプラーにカチッとはまるまで差し込みます。そして、通しておいた防水ゴムをカプラーの穴に押し込みました。
ヘッドランプのポジション球と接続するカプラー
購入したハロゲンヘッドランプのポジション球への接続は、 住友電装090型 TS 防水2極カプラータイプ1でした。
- 住友電装090型 TS 防水2極カプラーのメス、端子のセット
を使いました。
住友電装 090型 TS 防水 2極 メスカプラー・端子セット タイプ1
価格:
306円
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このカプラーを作成するハーネスの4極カプラーとつなぎます。
配線の色は適当に決めました。
車両Hi電源のカプラー
このカプラーの詳しい名称はわかりませんが、私はネット検索するときに「HB3バルブ、カプラー、オス」で検索しました。
H4カプラー
ヘッドランプ本体側H4バルブと接続します。
- 矢崎総業 305型 旗型メスカプラー・端子セット H4 ヘッドライトコネクター用
を使いました。
ヘッドランプ裏のスペースが狭いだろうと思ったため、配線が横から出る「旗型」にしました。
矢崎総業 305型 旗型メスカプラー・端子セット H4ヘッドライトコネクター用
価格:
226円
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リレーについて
防水処理はやったほうが良いと思います。
と言っても、私の場合はビニールテープでぐるぐる巻きにしただけですが。
実は、この画像のリレーはエーモンコンパクトリレー(3234)ではありません。
秋月電子通商で購入した「TB1-160」というリレーをユニバーサル基板を使って配線をはんだ付けしたものです。
エーモンコンパクトリレーと同じように動きます。
1個100円程度なのでエーモンのリレーを買うより安くできると思い、左右2個分購入しました。
配線のはんだ付けなど、画像の通りなんとか1個作成できたのですが、部品の送料や手間、信頼性などを考えたらエーモンコンパクトリレーを使ったほうが早いと思いました。
せっかく作ったのでヘッドライト片側はこの自作リレー使っていますが、結局もう片側はエーモンコンパクトリレー(3234)を使っています。
電子工作が好きな方はやってみると面白いかもしれません。
めんどくさい方は、カー用品店でも買えるエーモンコンパクトリレー(3234)で。
H4ハロゲンヘッドランプとの接続
画像のようにつながります。
画像ではポジションのカプラーが見づらいですが、リレーとH4バルブのゴムパッキンとの間の奥のほうに少し見えてるのがそうです。
ハイビームインジケーターについて
今回とは逆パターンで、ハロゲンヘッドランプの車両をHIDに変更したりすると、ハイビームインジケーターが不点灯になることがあるようです。
なので対策部品なども出ているようです。
今回私が行ったヘッドランプ交換の場合も配線をいじるので、ハイビームインジケーターに何か不具合が起きるのではないかと思いましたが、結論から言いますと今回の方法で何も不具合は起きませんでした。
ハイビームにするとインジケーターは普通に点灯しますし、パッシングの時も問題ありません。
事前に配線図を確認したところ、私の車両(3型後期HID)では、ハイビームインジケーターは、ハイビームの回路と並列につながっており、ハイビームに電流が流れると同時にハイビームインジケーターにも電流が流れるようになっています。
今回の方法では、ハイビーム電源で直接ハイビームを点灯させてはいませんが、ハイビームを点灯させるためのリレーの作動用に使っているので、ハイビームにすればインジケーターにも電流が流れて問題なく点灯しているのだと思います。
おわりに
以上、作業編「4灯ヘッドライトを2灯にするためのハーネス作成」でした。
4型フェイスチェンジにおいて、いちばん情報が少なかったのが3型HIDから4型H4ハロゲンへの変更でした。
試行錯誤の結果、なんとかうまくいきましたが、今後、何か問題が出てくる可能性もあります。
情報のご利用は自己責任でお願いいたします。