築地、豊洲市場移転問題は事実上解決してると思う

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小池都知事の就任以来浮上した、築地の豊洲市場への移転問題ですが、最近のテレビやネット等の情報を見ていると事実上は解決しているのではないかと思うようになりました。その理由をまとめてみました。

※ご注意※
私は、専門家でもなんでもないただの庶民ですので、庶民の意見として読んでいただければと思います。

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そもそもなぜ豊洲移転延期になったか

小池都知事は、移転延期の理由に以下の3点を挙げています。

盛り土問題

豊洲市場の土地は、東京ガスの工場跡地で土壌汚染があったため、土壌を入れ替えて、建物地下には盛り土をして対策を施すことになっていたが、実際には建物地下は空洞になっており、地下水が溜まっていた。安全性への懸念

その後、溜まった地下水の2年にわたるモニタリング調査で、9回目に環境基準の79倍のベンゼンなどが検出され、更に安全性に問題があるのではと、火に油を注ぐ結果となった。

巨額で不透明な費用の増大

事業費がなぜそんなにかかるのか?巨額すぎやしないか?裏に何かあるのでは?という問題。世間では、テレビドラマで見るようなさまざまな憶測が飛び交っていますが、小池都知事も「政治とカネ」の問題が潜んでいるのではと不振に思ったのでしょう。

情報公開不足

盛り土問題をはじめとして、都民が知らない間に事が進んでいたり、変更していたりといった情報公開が足りないという問題点。

問題点について

費用の増大に関して

この問題の解決は、「建設費を精査し、お金の使い道に都民が納得する」ことでしょうが、既に建設は終わっています。設計、見積もり段階ではありません。解決するまで豊洲市場が使用できないということにはならないでしょう。移転後でも調べることはできますので延期理由にはならないと思います。

情報公開に関して

次に「情報公開不足」ですが、これも「これからは全て公開する」という取り決めにすれば良いだけです。もういろいろな人が目を光らせてますので大丈夫でしょう。

安全性

残るは安全性に関することですが、東京都は2月28日、築地市場に関して「敷地全体に土壌汚染の恐れがある」と公表しました。かつて進駐軍のドライクリーニング工場などがあり、有害物質が使用されていた可能性があるのだそうです。

その築地市場に関し、小池都知事は3月14日の東京都議会予算特別委員会で、「土壌はコンクリートで覆われており法令上の安全性は満たしている。」と述べました。

豊洲市場も、築地と同じように土壌はコンクリートで覆われているという自民党都議の指摘に対し、小池都知事は、「法令上の安全性は確保されているが、消費者の信頼が得られていないとして安心とは言えない。専門家による検証などを踏まえて総合的に判断する。」と述べました。

これは、橋下徹氏もツイッターで「論理矛盾を来している。」と述べているようですね。

非常に苦しいところですね。築地が安全でないと言えば大混乱してしまうので、同じように豊洲も「安全」と言うしかありません。というか、科学的に安全ならどちらも「安全」なのです。豊洲は科学的には安全だが、それを信用できない都民を説得できる、自信のある根拠(専門家による有用な検証結果)がまだないため、「安心ではない」という言葉で逃げざるを得なかったといったところでしょうか。

また豊洲の地下水から有害物質が検出されましたが、豊洲市場では地下水は使用しないそうなので、有害物質が食品に触れることはありません。有害物質が出るのは想定内で、そのために管理システムがあり、安全に排水できるように対策がされているのだそうです。

ただ、有害物質が出ていると聞いてしまうと印象が良くないし、食品に触れる可能性はゼロに近いですがゼロとは言えません。地下水管理システムが正常に作動しているという説明や地下水の検査結果も、結局は「なんか都が信用できない」という心情的なことが今一番の問題なのかもしれません。

最後に

私は、既存の都政を改革しようという小池都知事の姿勢は応援しています。小池都知事は、振り上げたこぶしの下ろしどころを探しているのか、ねらい通りの専門家の検証結果が出るまで待っているのではないでしょうか。

それが個人のメンツのためなのか、移転反対派の批判をかわす目的なのかはわかりませんが、一定の安全は確保されているのですから、心情的な問題より、延期により現実的な問題(お金)を抱えている市場内関係者のことを考えてほしいと思います。